一昨日始まったリハーサルも、無理繰りの強行スケジュールにつき、今日で終わりです。今日はZepp用とひたちなか用と2回通しなのかな。只今最終試行錯誤中です。
この前書きました、上モノの話。ちょっと時期尚早だったようで、反省です 
でも実はこの辺りが、本来仕事の本質というか、求められるところでもありますので、僕と吉田さんが今回この短い期間で行なったことを、実はすごくシンプルなことですで、書いてみたいと思います。
まず、キットやプレイの状態を出来るだけ細かく現状把握しました。次に中期的(このツアー以降に達成可能)なゴールと、短期的な(このツアーにおいて達成しなくてはならない)ゴールを設定しました。要は現状とそのゴールのギャップを明確にし、互いに共有したわけです。
そこでドラマーは何を成すか、ドラムテックは何を成すかが、方法やその取り組みの順番までも、全て具体的になります。良い意味で、どちらが何をやっていないか、常に明確な状態が生まれます。サボったり、修正してこないことは、お互いバレバレなわけですね 

そうやって、この短期間に小さなゴールをひとつひとつ達成して、代々木までたどり着き、ラストではふたりでハグッとなったわけであります。めでたしめでたし...っていうのがこの話しのオチではありません。
大事なのは、そのゴールを全て吉田さん自身が設定していったということです。じゃあ僕がしたことは何かと言うと、現状の明確化からその都度、常に状態を正直にフィードバックしていったことです。そのフィードバックの内容から、吉田さん自身が次の取組内容を決めて、ゴールへ突き進む、日々その繰り返しです。勿論設定するゴールが、正しい方向でないとダメですよ。
フィードバックのポイントは、後回しにせずにその都度、あとは良いことも悪いこともありのまま正直に、ということです。あと聞くほうも言うほうも感情的にならない、いわゆるこの関係が合意の上である、ということです。簡単に言うと、全ては互いのゴールの為に、全てはオーディエンスの為に、強いてはドラマーを志すキッズの為にです。その結果、全ての道は吉井和哉へ繋がるわけです。
ね、シンプルでしょう。
で、実はこれ、吉田さんだけではなく、タカシくんや愁さん、城戸くんのときも同じようなアプローチをしてきました。ただ、これもノリでやっているわけではなく、実はれっきとしたコーチングというコミュニケーション・スキルなので、ミュージシャンの皆さんに負けないよう、日々精進なわけです。
そしてなぜ、ビジネスマンやアスリート達の間で機能しているコーチング・スキルを、この音楽の現場で流用しているのかというと、バンドってやっぱりなんだかんだと言っても欧米型のコミュニケーションですよね。正直日本の文化にはあっていません。(現に今、オリコン・チャートにバンドってほとんどいないですよね、ドラマーがいないバンドは、ユニットとしてカウントしてください
)
日本人って、苦言って言うくらいですから、ありのままをフィードバックするのもされるのも、苦手なんですよね。言葉ってときに便利で、ときに厄介なものですから、言葉を選んでいるうちに、伝えるべき本質も変わってしまうことは普通にあることです。またバンドって、我々クルーとは違う、表現者達の集まりですからね、本当に難しいんだと思います。
だからそろそろ、我々日本人クルーも、バンドをやっているミュージシャン達をしっかりとサポートしていく為には、バンドという欧米型の文化を理解し、それにあったコミュニケーション・スキルを身につけていかないと、非常にまずいんじゃないかと、思うんであります、軍曹殿。
で、城ホールや武道館、12月進行が定例化してきている昨今です。12月ってみなさん忙しいし疲れてるし、仕事被っているしで、集中力無かったりします。なので『このZepp TOURではこうだったよね』『12月はここが課題だよね』『だから準備すべきことはこうだよね』がないと、今後は毎年、結構残念な年末を過さなくてはいけないことになるかもしれません。
僕は、それは嫌です
っつうか次があると思うなよ、俺
そう、俺達に...明日はない!?っていうのは、常にワン・ショットのつもりでやっている、そうつもりでツアー1本やりぬいていく、というスタイルのことです。
プロなんだから『次は違う人でいきます』って言われたら、「仕方が無いな、きっと何かが足りないんだろうな」って考え、それを受け入れて修正を重ねるしかないですからね。
とくに評価の基準が曖昧なのが、この業界の最も悪いところですから。評価の価は、価格の価です。あんまり自分を責めないのもね、大事ですよ。何が足りないって、まず予算が足りないんですから。それよりも次に向かって仕事は準備8割で、考えるべきことは他にもたくさんありますから。
昔我が愛すべき愚兄も、むかしむかしそのむかし、エンディングで言ってましたよね、「今年のうちにぃ!」って。このプロジェクトのことはこのプロジェクトのうちに、です。
これが全ての役割と責任の基本じゃないでしょうか。達成できた人にはインセンティブを、できなかった人は次回は相談、やらない人はペナルティーです。それもしない公平こそ不公平です。
だから、理由も無く、次で次でっていうのは、プロはやっぱりなしですよ
そして我が吉田佳史は、染み付いた曲順と微妙に修正される新たな曲準の狭間を、フルパワーで走り抜けています。乞うご期待 

それではまた。
加藤俊一郎